このミス2015」から 来年読む本
毎年この時期になると発表される「このミステリーがすごい」
私の年末の楽しみの一つです。
「このミス」の選定はミステリーの(国内編71名、海外編74名の)識者の投票により選ばれており、掲載された作品にハズレがない。と、思っている。
2015年版から読んでみたいと思った本を国内編から一冊、海外編から三冊ピックアップしてみた。
国内編9位「女王」
国内編1位の「満願」は残念ながら触手が動かなかった(題名からして、興味がわかない.....)。
私がピックアップしたのは9位の「女王」だ。
解説によると
戦後生まれであるのに東京大空襲の記憶のある男、史郎。
そして、東京大空襲の際、確かにその史郎に出会っていたという精神科医、瓜木。
邪馬台国の研究に関連した旅の途中で、謎めいた死を遂げた史郎の祖父、祇介。
史郎とその妻の可奈子、そして瓜木は奇妙な記憶と死の真相を探る旅にでる。
という、物語らしい。
はっきり言ってどんな話かさっぱりわからない(笑)
そして、「女王」という題名。
邪馬台国だから卑弥呼が絡むのだろうか ?
さらに解説は
東京大空襲、関東大震災、南北朝の動乱、邪馬台国。
ー中略ー
その先にある合理的な答えに驚愕することになる。
と、続く。
これだけわけのわからない事項に『合理的な答え』なんて導けるのか?
興味津々である。
海外編 1位 その女アレックス
Amazon.co.jp: その女アレックス (文春文庫) eBook: ピエール・ルメートル, 橘明美: Kindleストア
扇情的な表紙。美女が誘拐され監禁されるというありがちな冒頭。
しかし、
「3部からなる構成だが、章を追うごとに、物語はその佇まいを変えていく」
そして、
「賛否両論を呼ぶに違いないない、ラストまで一気に読ませる」
らしい。
しかも、
「このミステリーがすごい 2015年版 1位」
「週刊文春 ミステリーベスト10 1位」
「ミステリが読みたい」
「IN POKET 文庫翻訳ミステリーベスト10 1位」
「英国推理作家協会 インターナショナル・タガー賞受賞」
「リーヴルポッシュ読者賞受賞」
の史上初、6冠だという。
「女王」単行本で538ページ、後に紹介する、「ピルグリム」は文庫が3冊1,197ページ。 対して「その女アレックス」は手頃な450ページ。 まず、読みだすのに最適だ。
さあ、どんなに物語なのか楽しみでしかたない。
ゴーストマン 時限紙幣
Amazon.co.jp: ゴーストマン 時限紙幣: ロジャー ホッブズ, Roger Hobbs, 田口 俊樹: 本
犯罪組織の大物マーカスに負い目のある”私”は、過去の借りを返すためにやむなく消えた現金と手下を探し始める。
現在と過去、二つの事件が同時進行する二重のサスペンスと四十八時間のタイムリミットという二つの緊張感がシンクロするこのクールでドライな処女作で、CWAからイアン・フレミング・スティールダガー賞を受賞。
なんたって『クールでドライ』だ。絶対カッコいいはずだ。
やっぱり、ミステリーの主人公は、かっこよくなきゃいけない。
海外編4位 ピルグリム
Amazon.co.jp: ピルグリム〔1〕 名前のない男たち (ハヤカワ文庫 NV ヘ): テリー・ヘイズ, 山中 朝晶: 本
Amazon.co.jp: ピルグリム〔2〕ダーク・ウィンター (ハヤカワ文庫NV): テリー・ヘイズ, 山中 朝晶: 本
Amazon.co.jp: ピルグリム〔3〕 遠くの敵 (ハヤカワ文庫NV): テリー・ヘイズ, 山中 朝晶: 本
実はこの本が2015年版で一番気になっている。
アメリカの様々な諜報組織が抱える数多のエージェント達を監視する任務を負ってきた伝説の人物<ピルグリム>、単独でアメリカ殲滅を企むテロリスト<セイラム>。
主人公は『伝説の人物』だという。
これはハードルが高い。読者は中途半端な活躍では満足しないから、作者は大変だと思う。
しかも、三部作の第1作目だという。
しかし、それを承知で登場させているのだから、並々ならぬ自信があるのだろう。
こうやって読みたい本を紹介していると、純粋に謎に取り組むミステリーというより、動きがあって、主人公に渋みのある作品が自分の好みなんだな〜と気が着いた。